【かしわざき歳時記✨2019年1月 600余年続く鋳物文化 五代晴雲 原惣右エ門工房】
【かしわざき歳時記✨2019年1月 600余年続く鋳物文化 五代晴雲 原惣右エ門工房】
新年1月号は、柏崎に根付いた伝統工芸をご紹介します🤗
大久保鋳物の工房「五代晴雲 原惣右エ門工房」を取材しました!「鋳物」とは、溶かした金属を鋳型に流し込み作られる金属製品のことです。原惣右エ門工房では、人になじみ深い、銅を使った花器や香炉などの作品を多く手掛けています。
まずはそのルーツから。柏崎市内河内(こうち)に、河内国(かわちのくに:現在の大阪府周辺)からやってきた鋳物師が住み着き開業します。次第に従業員が増え、その人々が市内剣野に出てきて、最終的に現在の大久保のあたりにやってきたのではないかといわれています。
大久保鋳物の最盛期は、江戸前期から中期。お寺の鐘をつくったり、塩釜をつくったりしていました。
しかし、江戸末期頃には衰退期を迎えます。そんな時に、蝋型鋳造法(ろうがたちゅうぞうほう)を取り入れて、作品を積極的に作り始めたのが、原琢齊(たくさい)、得齊(とくさい)の兄弟です。
原惣右エ門工房の初代が、得齊の一番弟子で、その技法が現在に繋がっています。
原惣右エ門工房の作品の特長は、受け継がれている「蝋型鋳造法」と「紫銅焼き(しどうやき)」。
「蝋型鋳造法」は、鋳物の作成方法です。まず、作品の原型をロウでつくり、原型の周りを土などで固めて型を作ります。それを高温で焼いてロウを流し出し、できた隙間に溶かした金属を流し込んで冷まし、型を壊して作品を作ります。そのため、作品ができると原型はなくなってしまいます。
「紫銅焼き」は、作品の表面にある赤い模様を出す技術で、鋳込みの後、磨きをかけたものをさらに高温で焼き、酸化皮膜を定着させる技術です。どういう模様ができるかは、炎の加減と職人の技次第です。
ピンときた方もいると思いますが、どちらの技術も全く同じものができない。つまり作品のほとんどが、唯一無二のものなのです。
作品を見ていると、自然をモチーフにしたものが多いと感じました。お話をしてくださった原嘉子(よしこ)さんに尋ねたところ、「作品は、自然の豊かさや自然の持つ力強い温かさを表現するものが多いです。日常で作品を使っていただくことで、買っていただいた方のささやかな楽しみや幸せにつながれば」とおっしゃっていました。
また、「制作工程に必要なものは、柏崎の自然からいただいたもの。最近は海外での出品もありますが、お客様に柏崎に来ていただいて、柏崎の土地柄を含めて作品を知っていただくことが私たちの目標です」とも。とても素敵なお話を聞くことができました。
✨原惣右エ門工房の片口と酒器が、「みんなが贈りたい。JR東日本おみやげグランプリ2018 雑貨部門」で銀賞を獲得しました✨
片口「Tanrei」と酒器「Tanrei」「Houjun」です。内側に本漆が塗られています。この酒器と片口は、原惣右エ門工房の他、JR新潟駅のぽんしゅ館クラフトマンショップ、新潟市にあるカタヤマエイトなどでお買い求めいただけます。
原惣右エ門工房では、作品が購入できる他、事前予約で予定が合えば工房見学もできます。
ぜひ、柏崎の風土を感じて、作品作りの様子やお話を聞きながら、お好きなものを選んでみませんか?
工房について詳しく知りたい方は、こちらのホームページをご覧ください⇒https://imoji-souemon.com/
かしわざき歳時記のコーナーでは、これからも柏崎の情報をお届けできればと思っています🍀
今年もどうぞよろしくお願いいたします😊💖
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