【かしわざき歳時記✨2月 柏崎の空海伝説!-弘法大師堂霊塩水祭礼(こうぼうだいしどうれいえんすいさいれい)】

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【かしわざき歳時記✨2月 柏崎の空海伝説!-弘法大師堂霊塩水祭礼(こうぼうだいしどうれいえんすいさいれい)】


【かしわざき歳時記✨2月 柏崎の空海伝説!-弘法大師堂霊塩水祭礼(こうぼうだいしどうれいえんすいさいれい)】
遣唐使として唐に渡り、日本に仏教を伝えたと言われる「空海(弘法大師)」。実は柏崎にも弘法大師の伝説があるんです!その伝説にちなんだスポットが、市内岩之入集落にある「弘法大師堂(こうぼうだいしどう)」。
平成30年2月10日(土曜)の午後6時~8時、ここで「弘法大師堂霊塩水祭礼」を行います。弘法大師堂の周りに108本のろうそくが灯り、幻想的な雰囲気を楽しめます。また、霊塩水で作った甘酒のふるまいや御利益豆腐などの販売も行われます。詳しくはこちら⇒
※今年は、1日のみの行事となりますので、御詠歌行列、水汲み行列、参列者への厄払い読経はありません。
★空海の伝説は、続きを開いてご覧ください。
-岩之入(いわのいり)の塩水井戸(しおみずいど)-
弘法大師が、北条の岩之入の村に着かれた時は、日はとっぷり暮れていました。大師は一軒の農家を見つけて「一晩泊めてくださらんかの。」と頼みました。「さあ、どうぞ、どうぞ」そこは、老婆一人暮らしの家でした。家はかしがって、歩くたびにグラグラゆらぎました。随分古ぼけた貧しい家でした。
「今日は、じいさんの命日です。お坊さま、すみませんが、お経をひとつ、読んでくださらんかの。」夕飯のすむのを待ちかねて、おばばは大師にお願いしました。「ああ、いいとも、いいとも」荒っけずりの白木の箱の中に、へたくそな「なむあみだ仏」と書いた紙が、はりつけてありました。それがお仏だんで、とうしんの灯(ひ)が、薄暗い小さな光の輪をつくっていました。大師はお経を読みました。後でおばばが目をしょぼつかせて、手を合わせていました。
翌朝、大師は、台所でガタビシガタビシ音を立てて、朝飯のしたくをしている音に、目を覚ましました。あずきのにえたつ匂いがプーンとしてきました。「あッ、塩がない。」台所で、おばばの声がして、おばばは隣の家へ、塩をもらいに出かけました。「ちっとばかし塩をくらっしゃいや。そのかわり今日一日、お前んとこの田の草とるすけ。」やがて、おばばは、一つまみの塩を入れた小皿を、大事そうに両手でかかえて、帰ってきました。「ゆんべは、じいさんにお経をあげてもらって、ありがたかったぞえ。何もお礼ができんでのう。」と言って、おばばは温かいおかゆと、熱いみそ汁と、それに塩あずきをならべて、大師をもてなしました。大師は「少し塩をもらったばかりに、この老婆は一日隣の田の草を取らねばならんのか。」と思いながら、一箸ずつ、おしいただいて、食べられました。
「ごちそうさまでした。」おばばの心をこめた朝飯を食べ終えた大師は、庭先に出て「エイッ」と気合いもろとも、金剛杖を土につき立てました。すると、土の中からポコンポコンと水が湧き出てきました。あっけにとられているおばばに「おばあさん、その水なめてみなされ。」と大師は言いました。おばばは水を飲んで「おう、これは塩水だ。」と言いました。大師は「そうです。それは塩水です。けさ塩あずきをいただいたお礼です。」こう言って、大師は、また旅立って行かれました。(深田信四郎著「柏崎のむかしばなし」より)

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