展示品紹介

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―なつかしの玩具玉手箱―
【51】鳥取の流し雛
雛を川や海に流す風習は古くからありました。源氏物語にも、身のけがれを人形(ひとがた)に託してはらう行事が登場しています。室町時代からは、人々の災厄を除くこのしきたりが全国に広まり、明治六年、太政官通達で禁止されるまで、盛んに行われた行事でした。今ではわずかに和歌山県加太の淡島神社などに残っているにすぎません。現存する代表的なものが、この鳥取の流し雛です。
 これは赤い因州和紙で作られた男女一対の紙雛です。和紙を竹の骨に張り、胡粉(ごふん)で白い梅鉢模様が書かれています。頭は土製で胡粉塗りに簡単な目鼻を書き、男雛は金紙の帯をつけています。
 鳥取県八頭郡用瀬町では千代川にこれを流して厄払いをします。旧三月の節句に二組の紙雛を求め、一組は雛段に飾り、ほかは神棚にまつります。節句が終わると。前年の雛と今年の雛一組を一緒に桟俵に乗せ、お炒り(おいり=玄米を炒ったもの)や桃の花の小枝と一緒に川に流します。家に残した雛は危急のときの備えとしました。桟俵には忘れずにタニシを乗せました。お雛さまはタニシが大好物で、これを食べながら、人々の厄を負って長いた旅をするのです。                        

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