展示品紹介
展示品紹介
―なつかしの玩具玉手箱―
【40】名古屋の牛若弁慶
徳川家康をまつる霊廟(れいびょう)東照宮は日光を総宮とし
て全国ゆかり地にあります。江戸幕府御三家筆頭の尾張徳川氏
の居城のあった名古屋にも立派なものがあります。
牛若弁慶はこの東照宮の例大祭(四月十六日、十七日)にひき
出される山車のからくり人形を玩具化したものです。この祭り
は名古屋祭といわれ、江戸時代初期の九両の山車がでます。い
ずれも、神話、英雄、能、狂言に取材し、このほとんどのから
くり仕掛けの人形が装置されているのが特徴です。
糸からくりは糸を使って人形を動かすもので、江戸時代には
人形芝居や見せ物に用いられて大いに流行し、中期以降祭礼の
山車人形に応用されるようになりました。
市内七間町の山車「橋弁慶」は牛若丸と弁慶の様子を表して
います。仕掛けの巧妙さもさることながら、形態のまとめ方に
非凡なところがあります。(写真は伝馬町の山車です)
この糸からくり玩具は名古屋で盛んで、特色のある作品が多
くあります。「回り鼠(ねずみ))、餅つき兎(うさぎ)」などです。
江戸の末期から子供たちの遊び相手だったこの牛若弁慶は、
往年のにぎわいを今に残しています。
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