展示品紹介

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 展示品紹介


 展示品紹介
―なつかしの玩具玉手箱―
【39】村松の宝船
 生活用品の船を模して子供の遊び道具としたものには、笹や
木の葉を用いた自然玩具から、ゼンマイや電池で動く科学的な
ものまで、いろいろあります。その中で、郷土玩具として作ら
れたものは、和船が主です。明治の文明開化の蒸気船もこれに
含まれます。海に囲まれたわが国では全国各地にさまざまな作
品が生まれました。これらを大きく分けると招福を願う宝船、
豊漁を祈る大漁船、航海安全の舟霊(だま)様、競漕船(ハーリー船)
捕鯨船(鯨船)などになるでしょう。
 写真は大漁船の形をした宝船です。豊漁と幸せは結びついた
ものだったのです。茨城県那珂郡東海村村松の虚空蔵堂の縁日
、正月十五日と四月十三日に売り出される縁起ものです。
 へさきに宝の字があり、胴腹には、赤と黒で蛇の目の紋が左
右三つずつ、船底には、青で波が描かれています。両舷(げん)
に渡した三枚の桁(けた)が船外まで突き出ています。これは、
「タラシ」といい、あらしの時、これに物を結びつけ、船の安
定をはかりました。この村松虚空蔵は日本の三大虚空蔵の一つ
です。十三歳でお参りすると御利益がありました。この宝船は
もう一つの授与品「真弓馬」と並んで、茨城の郷土玩具の双へ
きといわれています。

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