展示品紹介
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―なつかしの玩具玉手箱―
【29】姫路の三つ山
播磨国一の宮は兵庫県一宮町にある伊和神社ですが、播磨国総社
といわれる射楯兵主(いたてひょうず)神社が姫路市総社本町にあ
ります。
この祭礼は、六十一年目ごとに「一つ山祭」が、二十一年目ごと
に「三つ山祭」が行われます。この神事のために造られた境内に安
置される置山(おきやま)を「三つ山」といい、その大きさは高さ
二十メートル、直径が十メートルもあります。
神話の時代から歴史を誇る同社が、神霊降臨を仰ぐ古い祭礼の形
式を今に伝える貴重なものといわれています。
三つ山には小袖山、五色山、二色山があり、小袖山には信者の奉
納する小袖を取りつけ、五色山には赤、白、黒、黄、青のだんだら
の絹布を、また二色山には青、白二色の絹布を巻きます。置山の形
態がきわめて特異なものですから、これを玩具化した「三つ山」は
一般の人々の興味をあまりひかなかったようです。
昭和三年の一つ山祭にはこれを玩具として授与することを中止し
たといいます。しかし昭和六十二年には一つ山祭が、平成五年には
盛大にとり行われ、玩具も復活しました。あまりにも長い間隔なの
で六十一年目の一つ山祭には一生のうち出会えかった人々もいたこ
とでしょう。
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